「二人ともやめてーー!!お願い!」
あたしは声を張り上げた。
でもその声は、今の二人の耳にはまったく届いてくれない。
なっちゃんもハルくんも、お互いの事しか目に入らず、ただただ相手を殴り続けた。
鈍い音が響き、そのたびに血が流れ、あたしの体は恐怖で凍りついた。
怖い。
怖くてたまらない。
二人とも、まるで知らない人のよう。
でも、それでも、止めなくては。
今あたしが何とかしなければ、このままでは二人とも大怪我をしてしまう。
あたしが止めさせなければ。
今ここには、あたししかいないんだから。
あたしは震える足を叱咤し飛び出した。

