「はぁ、やっぱりなっちゃん、もう帰っちゃったかな。」
あたしは携帯画面の時刻を見ながら、大きくため息を吐いた。
もう12時半。さっきまでまばらだった生徒達は、今はもうほとんどいない。先生達も恒例の会議が始まったのだろう、校舎の方もしんと静まりかえっている。
耳に届くのは門の外を通る車やバイクの寂しいエンジン音だけ。
あたしは祈るような気持ちでもう一度だけ受信メールを確認した。
何もなし、か。
あたしはがっくりと肩を落とし、受信メール0の表示をじっと見つめた。
これだけやっても何の音沙汰もないなんて。
やっぱりなっちゃん、昨日のこと怒ってるのかな…
どうしよう、このままケンカ別れみたいになったら……
あたしの中に、なっちゃんの姿が甦った。
あたしを呼ぶなっちゃんの声、悪戯っぽく笑う笑顔、優しく頬に触れる大きな手、抱き締められた胸の温かさ。
あたしを見つめる切なそうな瞳。
必ず守ると言ってくれた真剣な瞳。
そして大好きな、澄んだ青空みたいな笑顔。
このまま離れていくなんて、そんなの嫌。
こんなになっちゃんが好きなのに、こんなのは嫌だ。
なっちゃんに会って謝って、あたしの気持ちをちゃんと伝えよう!
待ってるだけじゃ駄目だ!
居てもたってもいられなくなったあたしは、とにかくなっちゃんを探そうと校舎の方へと足を向けた。
その時だった。

