「みんな静かに!!」

収集のつかなくなった教室に、牛津先生の大声が響いた。


「確かに変わってもいいと言ったが、互いに合意すればと言っただろう。
小城さんはいいということだか、で、神埼おまえはどうなんだ?」


「あたしは、」

なっちゃんと一緒に実行委員なんて、頼まれなくてもやりたいけど、みんなの、女子の視線がコワイ。


「嘉瀬は、なんで神埼と一緒がいいんだ?」

先生の何気ない質問に、教室中がみずをうったように静まりかえった。
女子の視線がなっちゃんに集まる。



「ああ、それは、」

それは?
あたしの心臓もバクバクと破裂しそうなほど騒ぎまくっている。


「それは、部活がおんなじだからっすよ。夏休み中はずっと部活だし、どうせなら相方が同じ部にいたほうがベンリ…じゃなくて、やりやすいし。」



なんだそれ!?
さては、あたしなら仕事押し付けて、自分は楽できるとか思ってるな!?
あたしの胸の高鳴りを返せ!!

心の中でツッコミを入れるあたしをよそに、先生はなっちゃんが『あたしを推薦する理由』に納得したらしい。


「そういうことなら、神埼。小城も図書委員がいいと言ってることだし、お前が実行委員やってくれ。な!」


「あ、はい。」




そうして、あたしは南校祭の実行委員になったのだった。