教室に着くと、もう誰もいなかった。
俺は息を切らせながら教室の時計をみた。
12時20分。
とにかくあかりに連絡しよう、そう思いポケットを探った時、俺ははじめて今日自分が携帯を忘れてきている事に気づいた。
くっそ、なんで今日に限って!
俺は教室から飛び出ると、廊下を走り、昇降口横へと繋がる階段をかけ下りた。
下に下駄箱が見えたとき、そこにいるハルが目に入った。
「おい、ハ…!……ハル?」
声をかけようとして、ハルのいつもと違う雰囲気に、俺は叫ぶのをやめた。
なんとなく声がかけられなくて、そのままゆっくり階段を下り近づいていくと、ふと、あるものが目に飛び込んだ。
それは、ハルの手に握られた包み。
そしてそれに入っていたのであろう、リストバンド。
「なんでハルがあれを?」
俺は一瞬自分の目を疑った。
だってそれは、間違いなく昨日あかりがショップでみていたものだった。
ハルと二人で楽しそうにみていたリストバンド。そのあかりの笑顔が本当に幸せそうで、俺はハルに嫉妬した。
あの時のあのリストバンド。
あれは、ハルへのプレゼントだったのか?

