Believe~奇跡の鼓動~






「あ、あの、多賀城先輩!ずっと好きでした。あのこれ、受け取って下さい」


目の前にいる女の子は、最近よく部活にも見学にきていた一年生の子だ。
部の連中が可愛いとか騒いでたな。

確かに、明るい雰囲気は好印象だし、騒ぐのもわかるけど…でも俺はやっぱり。



「悪いんだけど」

「あの!すぐ付き合ってもらえなくてもいいんです、お友だちからで!」


俺の次の言葉を察したのか、その女の子は矢継ぎ早にまくしたてた。


「先輩は、なかなか彼女をつくらないって聞きました。いきなり知らない人と付き合いたくないですよね?当たり前だと思います。

だから、まずはお友だちになって下さい!
あたし、先輩に好きになってもらう自信あります!」


きらきらと輝くその子の瞳からは、その自信を感じる。

そうだな、そうなれたら、楽なのかな。

そんな考えがよぎったが、それは一瞬で消え去った。



俺の彼女への思いは、そんなことでなくならない。そんなに軽い気持ちなら、ここまで苦労してないさ。



俺は弱気な自分をふっと笑うと、
自分を見上げる期待に満ちた瞳に告げた。



「俺、好きな人がいるんだ。
彼女が俺の方を見てくれなくても、俺の目はいつも彼女を追ってしまう。

今の俺は、彼女しか愛せない。

だから、ごめん。それは受け取れない。」





「わかりました」と、一言呟くと、大きな瞳に涙を溜めて、女の子は離れたところにいた友達のところへと駆けていった。