昇降口に来ると、神埼さんが下駄箱のあたりで何かしているのが見えた。
彼女の姿をみたとたん、さっまでの幸せがあせるように散っていった。
きっとこのあと二人で過ごすに違いない。
あのこは、彼を独り占めできるんだ。
そう思うと、さっきまで浮かれていた自分が酷く惨めに思えた。
それにしても何してるの?
あそこは嘉瀬君の?
なんとなく陰でみていると、神埼さんは何かを下駄箱に入れ、その場を立ち去った。
あたりに誰もいないのを確認すると、私はさっきまで彼女がいた場所へと向かった。
これは…
そこにあったのはプレゼントらしき包みと、
1枚のメモ。
そのとき、私にまがさした。
私はメモの宛名の部分だけをビリビリと破くと、それをポケットにしまい、包みを下駄箱の中から取りだした。
そして多賀城君の下駄箱を見つけると、その中に包みと、宛名を切り取ったメモを突っ込んだ。
そして、私はその場を走り去った。
ーーー私は素直になれない自分が嫌い。
いつもプライドが邪魔をして、本当の気持ちは隠してしまう。
私は素直なあのこが嫌い。
私の持ってないものを持っているから。
私が一番欲しいものを離さないから…
ほんの悪戯のつもりだったのに。
なのに………
いくら悔いても、
もう彼とは言葉さえ交わせないーーー

