Believe~奇跡の鼓動~

「キャー♪あたし頑張っちゃおうかなあ!!」

「ねえねえ、那月くんの好きなタイプってどんな!?」

「陽人くんは!?」



「ええ!?いやそこまでは本当にわかんないよ」

なっちゃんの好きなタイプとか、こっちがききたいくらいだし。



「ウソ~だってあんなに仲良いいじゃん」

「あーやっぱ神埼さんも狙ってるから、教えたくないんだ」




「ち、ちがうよ!本当に知らなくて」

あたしは確かになっちゃんが好きだけど、彼女になりたいとか、そんな身の程知らずなことは思ってなかったし、第一好きなタイプなんて本当に知らなかった。





「みっともないから、もう止めたら?」

凛とした声に、今まであたしに対して生まれかけていた敵意が、一気にその声の主に集まった。


「ちょっと、小城さん(おぎさん)!今なんて!?」

一人の女子が食ってかかった。



「みっともないって言ったのよ。そんな話を大声でできるあなたたちの気が知れないわ。だいたい、好きなタイプとやらをきいて、どうするの?彼好みの自分を演じるの?そんなに好きなら、その人を振り向かせるくらいに自分の魅力を磨きなさいよ」


「…っ!」

食ってかかった女子を黙らせると、小城さんは長い黒髪をなびかせて去っていった。