ガコッ!
ドサリ。
殴られたような音とともに誰かが倒れる音がした。
ハルくん!!
あたしは自分の中の血液が、サァーと落ちて凍りつくのを感じた。血の気がひくとは、このことだと思った。
男達の背中でよく見えないが、確かにだれかが倒れているのが見える。
そんな、ハルくん!
あたしの視界が涙でぼやけた。
ごめんなさいハルくん、
ごめんなさい。
あたしなんかのために、こんなことに巻き込んで。
そう思った直後、あたしは男の声に耳を疑った。
「くそが!ふざけやがって!」
そう言ったのは、さっきまでお兄ちゃんと呼ばれていた男。
あたしは、瞳のなかから必死に涙を追い出すと、入り口のほうに目を凝らした。

