休み時間、なっちゃんがあたしの前の席にドカッと座る。
いつもの行動。いつものなっちゃん。
でも、今のあたしには14年ぶりの…彼の姿。
「なあ、ほんとに大丈夫かあ?」
「う、うん」
「でもなんか顔あかいし、熱でもあるんじゃ…
あっ、ちゃんとこっち向けってば」
心配そうに覗きこむ大きな茶色い瞳と、ふわふわ揺れる栗色の猫っ毛。
高校時代、ただでさえ恥ずかしすぎて蒸発しそうだったのに。今のあたしは十四年のブランクもち。久しぶりすぎて、恥ずかしすぎて、とてもじゃないけどこんな至近距離で直視なんて出来ないよ。

