「先輩、あたしの顔、覚えてない?」
「…?」
目の前の強気な大きな瞳は、その中に怒りの色をちらつかせていた。
この子、あたしに恨みでもあるの?
あたしが必死に記憶を探っていると、彼女はふん、と鼻をならした。
「あっそ、覚えてないの。そーよね、那月先輩にふられた女なんて、たっくさんいるもんね。」
その時、その言葉であいまいだった記憶のピントがぴしゃりとあった。
この子!そうだ、あの時の!!
「あなた一年生の!」
そう確か、なっちゃんの停学騒動の前に、なっちゃんに告白していた女の子。
なっちゃんの行動観察してて、ハルくんに見つかってストーキングとか言われて…
そうだ、あの時の可愛い一年生の女の子だ!!間違いない!!
でも…あの時の可憐さは微塵もないけど。
あたしは改めて自分の前に仁王立ちする女王様に目を向けた。

