建物の中ではカツン、カツンと足音が響く

男は先の見えない階段をただひたすら昇る。

…9階、10階、11階、12階

そして男は最後の一段を昇り足を止めた。

眼の前にはペンキで荒々しい文字で

[新世界の扉]

と書かれた扉がある。

男は冷たいドアノブを掴み押し開けた。