気づけばそんなことを口にしていた。

「えっ…?」

彼女は目を丸くしてこっちをみてきた。
うっ、ちょっと緊張する…。
俺は手当てをしながら続けた。

「お前がピンチの時には、できる限り助ける。」

「ど、どうやって?」
「学校の行き帰り、一緒にしよう。どうせ同じ電車乗るんだし。」
「え、でも迷惑じゃ…」

「別にいいよ。なんか危なっかしくて…ほっとけないし。」

「うぅ…。」

「ただ、いつもついててやれるわけじゃないんだから、ちゃんと自分で気をつけろよ?」
「は、はい…。」

「愛梨。」

初めて名前で呼んだ。
彼女は驚いたようだったがすぐに『ん?』と首をかしげてきた。




「じゃ、また放課後にな。」
手当てを終え、俺は保健室をあとにした。