タタタッ! だから、転ぶってば。 「あっ!」 トンッ! 「走るなって何百回言えば伝わるんだよ。」 案の定、俺の元に駆け付けてきて、懲りずにこけそうになって。 ………今、俺の胸の中に収まってる女の子に声を掛ける。 「ごめっ……ありがとう、大輝。」 彼女はそういって顔をあげてにっこり微笑んだ。 「愛梨……。」 思わず強く、強く抱き締めた。 俺の、一番大事な女の子。