「知ってる」 俺がそう返すと、久瀬は苛ついたように拳を握りしめた。 「だったら、」 「久瀬はアイツの彼氏で、俺は幼なじみ、だ。俺は、幼馴染み以上のことなんてしてないだろ?」 久瀬の言葉を遮って、俺は静かに言った。 どうせその言葉の後は「綾香に近づくな」とか、そんなもんだっただろう。