わかっている。 このままの関係を続けていっても、俺の気持ちも、彼女の気持ちも、何一つ変わらない。 踏み出さなければ、なにも変わらない。 「ちょっ、吉隆っ」 俺は、彼女の少し高い声で思考の渦から戻ってきた。 「聞いてんのー??・・・んっと、いつもボケボケしてるんだから」 呆れたようにそういう彼女は、きっと俺しか知らない。