「綾香、帰ろう」 「うん」 彼に「邪魔しちゃった?」と小さく聞かれ、私は首を振った。 「ばいばい、結子」 鞄をもってそう言うと、結子も「またね」と返した。 「綾香、」 付き合い始めてから一週間とちょっとが過ぎて、彼は私を"綾香"と呼ぶようになった。