「市井の家に行くのとか、止めてほしい」 彼の声は、小さかったけれど、確かに私の耳に届いた。 「えっ?」 それでも、聞き返してしまったのは、それが予想していなかった言葉で、突然だったからだろう。 「いくら幼なじみでも、あんまり仲良くされると、俺は良い気はしない。」 今度は、ハッキリと私の目を見て彼は言った。 そして「なにもないのは分かるけど」て続ける。