加納欄の警察手帳 シリーズ24

「あの拳銃。保住組から買った物なんだ」

「保住組?」

保住組と聞いて、ミナトが初めてしっかりとあたしを見た。

あたしは、頷いて見せた。

「あの人にね、殺しをしてもらう予定なの」

と言って、鮎川さんを指差した。

皆の視線が、一斉に鮎川さんを見た。

一瞬の間があき。

「オ、オイッ」

鮎川さんが、突っ込んだ。

「保住組から受け取った拳銃を、この人に渡しに向かってる最中に、そこのお兄さんとぶつかって、その時に取られたのよ」

と、あたしは続けた。

すると男は。

「アハハハハ。じゃあ、これはお前のじゃねぇよ」

と言った。

「よせ」

ミナトが制したが。

「これは、公園で拾ったんだよ」

と続けた。

鮎川さんが、続けて。

「水道で拾ったのか?」

と聞くと。

「あぁ、そうさ。俺はお前とぶつかってねぇし。だからこれは、お前のじゃねえよ」

と言った。

あたしと鮎川さんは、冷ややかな目で、男を見た。

ミナトは、視線を外した。

「ハイ。供述アリガト(^0^)」

ポシェットから警察手帳を取り出し、男に突き付けた。

男は、一瞬にして、驚愕の顔色に変わると、何歩か後ずさりすると、震える手で、拳銃を構えなおした。

鮎川さんとあたしは、とっさに左右に飛び、近くのソファーに身を隠した。

その後に、数発のかわいた銃声が聞こえた。

あたしの身を隠した場所にミナトもいた。

「お前、やっぱりネズミだったか」

「刑事よ。ネズミじゃないわ」


あと、2発(-.-)


「あの男とあなたの関係は?」

また銃声が聞こえた。


あと1発(-_-)


「顔見知り」

ミナトが答えた後に、鮎川さんの叫び声が聞こえた。

「鮎川さんっ?!」

声をかけたが、返事がなかった。

そおっと覗くと、鮎川さんのソファーの上には、たくさんの観葉植物の鉢植えと分厚い漫画本が散乱していた。


あ〜あ〜(-_-;)


埋もれちゃって(-.-;)


直撃してなきゃいいけど。