河と言うのは男子の名前で、さっき言ってた男子の
1人だ。まったくもって珍しい名前の持ち主で、
そのままで河と言う。

…苗字何だっけ。

もう1人は、これもまた珍しい男子の1人で。
かつらを被ったら女子に見えるほどの美貌の持ち主。
羨ましいくらいの。ハーフみたいなんだよね。


「お前等って何?」

「河がな、いつも飯田とかと居るから付き合ってんじゃねぇかって」

「言うなって言ったろ、涼香(りょうが)」

「付き合ってないし…」


あんな奴と付き合って何の得があるんだ。
不幸になるだけだ。
ただ、仲良いだけだし。まぁ、仲良いからしょうがないんだけど。

次の授業は何だっけか、と後ろの黒板を見る。
次は3時間目で、体育だった。
いまいち気が乗らない。しかも野球だし。

野球はルールが掴み取れないんだよね。だから嫌いだ。

ぼけーっとしてると、廊下から大声が聞こえる。
…恵里か。相変わらずうるさい。