それに気付いた先輩は「何だよ」と言って、あたしの髪を
ぐちゃぐちゃにしながら撫でてくる。


「っ先輩!」

「うわ、超ぼさぼさ」

「先輩でしょ!」


先輩は大爆笑してその場に座り込む。
その大声に気付いたのか、なんとも言えない雰囲気を
作っていた2人が近寄ってくる。
とりあえず、仲良くはなったみたいだった。

必死に手で髪を直しているあたしを見て爆笑していた、
先輩は「腹いてぇ」とか言って、お腹を押さえている。
そして何故か俊哉も笑っていた。

…笑いすぎでしょ、先輩。つか、俊哉笑うな。


「先輩、行動がガキみたいですよ…」

「ガキはお前だろ」

「行動がって言ってるじゃないですか」


やっと髪が直ったあたしは反撃してやろうかと思ったが、
先輩の笑顔をみたら、その気も失せた。




この時、まだわからなかった。

こんな感情が生れるなんて。

…青じゃない。赤だった。