朝。
いつもより早く学校に登校した。
もしかしたらそれが失敗だったのかもしれない。

あたしは、学校につくと保健室に行くのが日課だ。
毎朝行って、先生の手伝いをしたり、
世間話をしたり。中々楽しい。

けど今日は先客が居た。

武下 寛生(たけしたひろき)先輩―。

あたしが3年の先輩の中でかっこいいと思ってやもない人だ。
憧れとも言うのかもしれない。


「あれ、光ちゃんじゃない」

「おはようございます…」


遠慮気味に入ったつもりだったが、いつもの事の所為か、
やはりばれていた。

先輩の冷めた目が、あたしを一睨みする。
あたしは、先輩の冷めた目が何となく好きだった。
何となくだけれど。

寛生先輩は、学校の中でもかなりの不良で、
よく先生達に怒られてるのを目にする。
先生達にはただの不良と思われているけど、
根はいい人だと言うことをあたしは知ってる。