あの日から1週間後。
あたしはいつも通り過ごしていた。
これと言った問題は無くて、いたって普通だった。

あたしにとっては。


「ひ~か~る~…!」

「…何があった」


授業中にも関わらず屋上でお菓子を食べてたあたしは、バンッと
勢い良く開いたドアに目を向ける。

そこには、勢い良く開けたドアとは対称にかなり落ち込んでいる様子の
恵里が立っていた。
ジャージは脱げ掛けていて、息は荒くて汗をかいていて…。


「犯されたか」

「ちげぇよ!走ってきたんだよ!」

「つまんねぇ…」


あたしは小さく舌打ちをして、再びお菓子を食べ始めようとする。
けど、頭に大きな衝撃が走って、そのまま思考停止になりかける。
衝撃が走った頭をぐんと上げて、後ろを見ると明らかに頭に怒りマークが
付いた恵里が手をグーにして立っている。