「…わかんない」

「はぁ?」

「わかんないんだよ。自分でも何でしてんのか。…そう言う環は?」

「俺?俺は…」


真剣な目が、表情が。
あたしを見た。環の目にはあたししか映ってなくて。
環の茶色い目が、綺麗だった。


「何でもない」

「何それ…」


あたしが、頭を抱えて溜め息を付くと「さぁな」と言って、歩き出してしまう。
誤魔化すとは思わなかったけど。まだ、壊れてないのなら。
大丈夫かな?少しだけ笑って、環を追いかける。



壊れた関係。
積まれた積み木。

堕ちた指輪。