きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「おら!おめぇらチンタラ走ってんじゃねぇ!遅えぞ!」


バンッと木刀で地面を叩きながら土方さんが言った。


「あの・・・土方さん?そろそろ休憩をさせてあげた方が・・・」


みんなが辛そうで思わず私は土方さんに言った。


「まだだ。これは大阪で問題を起こしたあいつらへの罰だ。」











ことの発端は一刻程前に遡る・・・



「トシ〜。今、帰ったぞ。」


大阪へ行っていた近藤さんたちが帰って来たのだ。


「局長、お帰りなさい。」

私は土方さん、平助くん、原田さんと一緒に近藤さんたちの迎えのため、長屋門まで出てきていた。


「近藤さん。今回は色々と大変だったな・・・屯所の方は何も問題ねぇ。今日はゆっくり休んでくれ。」


土方さんが近藤さんに言った。


「はは。じゃあ、トシの言葉に甘えて今日は休むよ。」


そう言いながら近藤さんは局長室へと戻って行った。