きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

〜土方side〜


「ったく。芹沢の野郎は本当に問題しか起こしやがらねぇな・・・」


俺は隣で気持ち良さそうに眠っている華の寝顔を見ながら呟いた。


「早く芹沢の野郎をどうにかしねぇと、いくら俺たちが頑張っても浪士組には悪い噂しか付かなくなる・・・」


かっちゃんを武士にするためにはそれだけは避けなきゃなんねぇ。


「やっぱり、芹沢の野郎を始末するしかないのか・・・」


本当に芹沢の野郎を始末するしか方法はねぇんだろうか?


俺は自問自答する。


「いや、芹沢は問題を起こし過ぎた。かっちゃんを武士にするためには迷ってる場合じゃねぇ。」


俺はかっちゃんを武士にするために何でもする鬼になることを再び誓う。


「だが、汚れ役は、嫌われ役は俺だけでいい・・・」


そう・・・

かっちゃんにそんな事はさせねぇ。


「まだ、時期じゃねぇな。」


再び華の方に顔を向け呟く。


「その前にあいつらにはどんなお仕置きをしてやろう。くくっ。楽しみじゃねぇか。」


その夜、大阪へ同行した隊士たちのお仕置きを考える土方の黒い笑みがあたりを包んでいた・・・


〜土方side・END〜