きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

私が浪士に斬られそうになった日から数日が経った。


「お華ちゃ〜ん。」


洗濯物を干してると平助くんに呼ばれた。


「平助くん。どうしたの?」


私は洗濯物を干す手を止めて平助くんの方を見た。


「この後、仕事は?僕、今日は非番だから出かけない?」


「今日の仕事はお昼までだけど・・・」


つい、数日前にあんなことがあったばかりなので、正直、町に出るのが少し怖い。


「やっぱり町に出るの怖い?」


考えていたことが顔に出ていたのか、ふいに平助くんが言った。


「うん、少し・・・」


「大丈夫。僕が付いてるし。いざと言う時は僕が守るから。」


にこっと笑って言う平助くんに安心して、私は頷いていた。


「じゃあ、よろしくお願いします。」