きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

私は土方さんにお姫様抱っこをされたまま屯所まで帰ってきた。


「華、今日はもう仕事はいいからゆっくり休め。」


土方さんの部屋まで連れてきてもらい、私を畳に座らせながら土方さんは言った。


「あ、いえ大丈夫です。もう少しすれば落ち着くと思うんで仕事に戻ります。」


私、仕事を休むのが申し訳なくて言った。


「あほ!おめぇ、手ぇ震えてんだよ。怖かったんだろ?」


土方さんに言われて私は自分の手を見た。


「あれ?」


土方さんの言う通り、私の手は震えていた。

自覚したら、何だか急に寒気までしてきて私は自分の肩を抱き締めるようにした。




ギュッ



「えっ?」



私は土方さんの腕の中にいた。