きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

〜土方side〜



華に沢庵を頼み、俺は部屋に戻り、仕事である書類の山に向かう事にした。


「あ〜、ったく。尋常じゃねぇな。この書類の山。それもこれも芹沢の野郎のせいだ。」



もちろん、仕事の書類もあるのだが、芹沢の行動に対する苦情の書類も多い。



「そろそろ、どうにかしねぇとなぁ・・・」


誰に言うでもなく、呟いた。


確かに、芹沢の野郎には今まで色々と助けられてきた。


だがしかし、このまま芹沢の野郎の横暴を野放しにすると壬生浪士組の存在自体が危うくなる・・・


俺は煙管に火を付けため息と共に煙を吐き出す。


「はぁ〜。・・・しかたねぇ。障子開けとくか。」


俺は華に言われた通り障子を開け、仕事に取り掛かった。