きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「はぁ〜・・・とうとう見つかっちまったか。」


皆を見送った後、私の隣に立った土方さんはため息を吐きながら言った。


「見つかったって・・・誰が誰にですか?」


意味が分からなかった私は思わず土方さんに聞いた。


「んあ?おめぇが芹沢にだよ。芹沢の野郎、女なら誰でもいいからな。いいか、華。ぜってぇ芹沢の野郎に近付くんじゃねぇぞ。」


土方さん・・・本人の前ではちゃんと「芹沢さん」て呼んでたのに、いなくなった途端、呼び捨てにしちゃってるよ(笑)

そんなに嫌いなんだね。


「はい。分かりました。」


私は近付かない方が身のためだと思い、素直に土方さんの言葉に頷いた。


「よし。それじゃ、ちと使いを頼まれてくれねぇか?」


「お使いですか?」


「おう。沢庵を買って来てくれ。」


「土方さん。近藤さんたちが留守だからって・・・」