きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「あ、いや、えっと、ごめんなさい。」


思わず、私は島田さんに謝っていた。


「いやいや。私は確かに大きいですからね。気にしてませんよ。」


島田さんが大きいのは見た目だけじゃなくて、懐も大きいみたい。


「ところで、沖田先生?大阪行きの話は聞いていますか?」


「ええ、聞きました。それで、お華さんは島田さんと会った事ないなと思い、紹介しようと思ったのですよ。」


総司が島田さんに答える。


「そうでしたか。出発は明朝だそうです。ですので、沖田先生は今日の見廻りは行かなくてよいと副長が仰ってました。ぬかりなく準備をするようにと。」


島田さんは土方さんから伝言を預かっていたらしく、それを総司に伝えると「ごちそうさまでした。それでは私は失礼します。」と言って食堂を去って行った。


「だそうです。それでは私も準備をしますので、失礼しますね。」


と言って総司は部屋に戻って行ったので、私はちょっと早いけれど、仕事に戻る事にした。