衝立の向こうで押し殺した声で華が泣いてるのが分かった。


だが、俺は聞こえねぇふりをした。


芹沢を殺った後、俺はあの女の姿が華に見えた。


俺は華が好きだ。


華も俺のこと好いてくれてると思ったら、今すぐ、俺のものにしたかった。


でも、できねぇ・・・


俺は・・・いや、俺たちは明日をも知れぬ身だ。


たとえ華が俺のものになったとして、いずれ華を不幸にするのは目に見えてる。


そう・・・


あの女のように・・・


俺はいずれ華を置いて逝く事になる・・・


俺は好きだからこそ華には幸せになっともらいてぇ。


例え、その隣にいるのが俺でなくても・・・


だから、俺は自分の気持ちを抑え込んで、華の想いには応えない事を決めた・・・


今は華を悲しませてしまっても、いずれその悲しみは薄れ、別の普通の男と幸せになってくれる事を願って・・・




〜土方side・END〜