きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

誰かに見られたか?


そう言えばあの女がいねぇが・・・


「総司・・・」


気を付けろ。と言葉を続けようとしたところへ隣の部屋から女が飛び込んで来た。


「芹沢先生〜!」


お梅だ。


芹沢によって押し入れに入れられていたのだろう。


泣き叫びながら芹沢にすがりついた。


「先生?いやや。うちを一人にせんといてや!」


お梅はさらに泣き叫びながら芹沢の体を揺らす。


「何でなん?いつまでもうちといてくれるて約束したやない。なぁ、芹沢先生。起きてよ。うちを置いて逝かんといてよ〜!」


「総司・・・」


ドシュッ


総司の刀がお梅を貫いた。