きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「ゴフッ!」


芹沢が血を吐きながら倒れ込む。


致命傷とは言え、まだ動けるようで芹沢は縁側から隣の部屋へと逃げ込む。


「逃がしませんよ。」


総司が芹沢を追って縁側へ出る。


ドスンッ


暗闇の中、芹沢が何かに躓いたようで隣の部屋に倒れ込んだ。


「芹沢さん、覚悟。」


総司が刀を振りおろす。


ガツンッ


総司の刀が鴨居にめり込んでしまった。


「くそっ!」


刀は深くめり込んでしまったらしくなかなか抜けない。