きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「総司、いいか?」


俺は聞こえるか聞こえないかぐらいの声で総司に言った。


外はどしゃ降りで俺たちの声や気配を消してくれる。


「いつでも。」


総司が答えた。


この衝立の先に芹沢は寝ている。


「行くぞ!」


ドンッ


ザシュッ


俺たちは衝立に刀を刺し、衝立ごと芹沢に倒れ込んだ。


・・・はずだった。