きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「芹沢さ〜ん。入りますよ〜?」


暗殺を考えてるなど想像がつかない暢気な声で総司が部屋の中へ声をかける。


「おお。沖田か入れ。」


中に入る総司に続いて俺も芹沢の部屋へと入る。


「ん?なんじゃ。土方もおるのか。珍しいこともあるもんだな。」


総司の後から入室した俺に気付いた芹沢は言った。


もうすでに、だいぶ酔っているのだろう。


俺が普段寄り付かない自分の所へ来たことに何の疑問も持っていないようだ。


「たまには俺もご一緒させて下さいよ。」


俺は作り笑いをしながら芹沢に酒をすすめる。


「おお。飲め飲め。」


ガハハと笑いながら芹沢は酒を飲み続けた。