きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「はい。まずはこの屯所に誰も居なくなると言うこと。救護班の責任者として私も隊士になったとは言え、ほぼ女中の仕事しかしない私まで屯所を出るということは屯所で何かあるのではないかと・・・」


「確かにな。」


私が言うと土方さんは納得したように言った。


「そして総司も何かしら関係あるのでしょう？」


「・・・ッ！」


土方さんが驚いた表情で再び私を見た。


「だって、私が一番仲良いのは総司です。宴会の時、その総司ではなく、平助くんと一緒に・・・と言うのは総司が何かしら関係あるからでしょう？」


私の言葉に土方さんは言葉を無くしていた。


「総司ほどの腕前が必要な人間なんて、この屯所には１人しかいないでしょう？そして昨日の土方さんのお言葉を考えれば・・・」


「おめぇ、女にしておくの、勿体無ぇな。」


私の言葉を聞いた土方さんはようやくそれだけを言った。