きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「かっちゃんの為に消えてもらう・・・」


俺は再び自分に言い聞かせるように呟いた。


芹沢を消すのは松平公の命令ではあるが、俺のエゴでもある。


かっちゃんを唯一の局長にしたいと言う、俺の身勝手なエゴ・・・


だが、芹沢はやり過ぎた。


このままでは新撰組は潰れちまう。


それもまた、事実だ。


だから俺は自分に言い聞かせる。


「芹沢を消すのは松平公の命令。新撰組の為」だと・・・


「俺は間違っちゃいねぇよな・・・?」


月の隠れた曇り空を見上げ、誰にともなく聞いた。