きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

近藤さんと俺は山南さんの意外な言葉に目を丸くした。


「意外だな。山南さんは反対すると思ったぜ。」


俺は思わず山南さんに言った。


「確かに、私たちは芹沢先生に恩義があります。しかし、今の私たちは京都守護職お預りの身。松平様が消せと仰ったのであれば、従う他ないでしょう。」


キッパリと山南さんは言い切った。


「そうだな・・・」


近藤さんも諦めたように頷いた。


「で、トシ。お前のことだ。何か方法を考えてあるんだろう?」


「流石、近藤さん。俺のことよく分かってるじゃねぇか。まずは新見に消えてもらう。法度を利用してな・・・」


俺はもう、新見に「さん」を付けなかった。




〜土方side・END〜