「ああ。大したことじゃねぇんだが・・・」


そう言いながら土方さんがこちらを振り返った。


「俺たちが松平公より正式な市中取締りの下命を受けたのは知ってるな?それで新しく、救護班を作ることにした。」


「救護班ですか?」


私は土方さんに確認するように聞いた。


「ああ。それで華にはその救護班の責任者になってもらいたい。」


「私がですか?」


「ああ。だが、華を見廻りなんかにだすつもりはねぇ。今まで通り、屯所で怪我をした隊士らの手当てをしてくれりゃいい。」


「私なんかでいいんでしょうか?」


ただの女中の私に勤まるのかと思い、土方さんに聞いた。