きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

後日、浪士組の迅速な行動が評価され、正式に松平公より市中取締りの下命を受けることとなった。


「いや〜。俺たちは『新撰組』となるのかぁ。」


松平公の文を広げ、近藤さんが満足そうに言った。


「近藤さん、よかったですね。壬生浪士組の今までの働きが認められたんですね。あ!今日から新撰組でしたね。」


私はお茶を渡しながら、嬉しそうに文を眺める近藤さんに言った。


壬生浪士組は正式に市中取締りの下命を受けるとともに、松平公から『新撰組』という新しい名前も頂いた。


「そうだな。これから益々、隊務に励まなければならんなぁ。」


近藤さんの顔はとてもやる気に満ち溢れていた。


「では、私は夕飯の準備がありますので失礼しますね。」


私は近藤さんの飲み終わった湯呑みを下げながら言った。


「ごちそうさま。華くんのご飯はおいしいから楽しみにしているよ。」


「はい!」


近藤さんに褒められ、やる気の出た私は夕飯を作りに台所へと向かった。