きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

勝負は最初から見えてていた。


薩摩藩や会津藩、公武合体派の公卿に加え、孝明天皇までもが公武合体よりの考えで、長州の味方をする者など、無いに等しいものだったからだ。


「近藤さん〜。俺たち必要あるんですかね。」


新八がやる気無さそうに近藤さんに言った。


「新八。緊張感を持て!」


見かねた俺は新八に言った。


「まぁまぁ、トシ。」


そんな俺をなだめるのは近藤さんだ。


しかし結局、俺たち壬生浪士組の出番は無く、この日は無血で解決された。


後に八・一八の政変と呼ばれる出来事である。


壬生浪士組の力を見せるいい機会だと息巻いて出陣したにも関わらず、何もすることなく、屯所へと帰る事となった。


〜土方side・END〜