きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「捕まえた!悠汰で最後ですよ。」


ゼェハァと肩で息をしながら最後の1人を捕まえた。


「総司、うちら相手に本気出すんやもん。大人げな〜い。」


「せやせや。総司、大人げないと華お姉ちゃんに嫌われんで。」


悠汰が鬼ごっこで早くに捕まった子ども達と一緒に少し離れた所で花いちもんめをしているお華さんを指さしながら言った。


「悠汰、人を指さしてはいけませんよ。ちょっと疲れたので私は少し休憩します。」


そう言いながら、私はお華さんがよく見える賽銭箱の前の階段に腰かけた。


子ども達は大人げないだの何だのと言いますが、やはり手を抜かずに、全力で相手をしてあげた方が子ども達は満足するんですよね。


「総司は華お姉ちゃんの事、好きなんか?」


顔をあげると悠汰が私の隣に座りながら、聞いてきた。


まったく。


最近の子どもはマセてますねぇ。