きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

「あ、総司や〜!」


「ほんまや。総司、遊んでぇなぁ。」


私たちが壬生寺に着くとたくさんの子どもたちが集まってきた。


「皆、元気にしてたかい?今日は何して遊ぼうか?」

私は子どもたちの目線に合わせるように屈んで子どもたちに聞いた。


「総司、鬼ごっこしよ。もちろん、総司が鬼やで。」


「ええなぁ。鬼ごっこしよ。」


「総司が鬼やぁ。」


子どもたちと鬼ごっこをすることになった。


「なぁなぁ、総司。隣の綺麗なお姉ちゃん、誰なん?」


「手ぇ繋いどるし、総司と恋仲なん?」


私は子どもたちに言われて、屯所を出る時にお華さんの手を引っ張って繋いだままだった事を思い出した。


「いや、このお姉ちゃんは私たちのお世話をしてくれている人だよ。」


私は慌てて繋いだ手を離した。


「ほんまに〜?総司、顔真っ赤やで。」


1人の男の子がからかうように言ってきた。


「クスッ。総司、顔赤いよ。皆、こんにちは。お姉ちゃんの名前は華。好きなように呼んでね。総司とは仲の良い友達だよ。」


お華さんが笑いながら、子どもたちに言った。


やっぱり私は友達としか見られてないんですね・・・


「さぁ、鬼ごっこを始めますよ。100数えたら追いかけますからねぇ。」


私は数を数え始め、子どもたちとの鬼ごっこを始めた。