きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜

一刻程して、やっと燃える大和屋の消火活動が終わった。


「土方さん。全焼は大和屋だけだ。近隣への飛び火は防げた。近隣への被害は無しだ。」


消火活動を終えた新八からの報告を受ける。


「そうか。よくやった。俺はこのことを近藤さんや松平公に報告してくる。」


近藤さんは確か今、黒谷の松平公の所へ行ってるはずだ。


大和屋が全焼してしまったんだ。


松平公に報告しないわけにはいかないだろう。


「はぁ・・・」


最早、ため息しか出てこねぇ。


早く芹沢をどうにかしねぇと浪士組は潰れちまう。


「じゃあ、新八。後は任せたぜ。」


「おう。」


俺は後のことを新八に任せ、黒谷へ報告に向かった。