『紗彩!大丈夫か!』


と両親が、駆け込んできた。


一気に、緊張がほぐれ、
お母さんに抱きしめられながら、『怖かった〜』と泣いてしまった。
学校には連絡済みでしばらく休むことにした。


落ち着いたところで‥


お母さんが、
『こちらの方は?』
と聞かれ、
あたしは、
『痴漢に遭った時に助けて頂いた人。名前は‥』

と言うと、


『坂口 圭介です。普段はサラリーマンやってます。』


と言ってくれた。


両親は、
『本当にありがとうございました!!何と御礼を言ったらいいか‥』
と深々と頭を下げた。

『嫌、気になさらないで下さい。』
と坂口さんも頭を下げ、
なんだか可笑しかった。


そして、お父さんと坂口さんが名刺を交換して、

『では、これで失礼します。』


と行って、帰って行った。



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