慌てて階段を降りて、
『ママ、シャーシン買ってくる』
『遅いから気をつけるのよ〜』
バタンとドアを閉めると
車によっかかって
立ってる圭くん。
それにさえ、惹かれる
重症なあたし。
車に乗るように促され、
助手席に乗り込んだ。
家の前はヤバイから、
公園の近くに止めた。
口火を切ったのは
圭くんだった。
『どうした?なんかあった?』
優しい声で手を握り、
顔を覗き込むようにする彼
その声に、言葉に
また涙が浮かぶ。
『ごめん‥なんか色んなことが積み重なって止めれなかった。嫌になったでしょ?』
『ううん。違う。だから話して?全部知りたい。』
泣きながらしゃべった。
『回りの皆が受験頑張ってて、なんか自分だけ出来てない気がして‥頑張っても成績すぐ上がらんし‥圭くんに会いたいけど勉強しなきゃとか、迷惑かけたくないとか‥ちゃんとしなきゃって思えば思うほど、空回りしてた。当たってごめんなさい。』
泣きながらの話しを、
相槌を打ちながら、
真剣に聞いてくれた。
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