隣のクラスの担任の永岡先生が、優しく声をかけてくれた。


永岡先生は若くて美人と評判な先生で、入学当初は女に面識のない俺もドキドキしたものだ。


「はい、コーヒーとオヤツ。このオヤツは特別ね、私の引き出し専用だから」


担任の横に、職員室の椅子を並べて座らされた俺達。


永岡先生の細くて綺麗な指から、コーヒーとお菓子が手渡される。


特別なお菓子は、チョコレートとクッキー…どちらも甘かった。


「二人並ぶとお似合いね。お内裏様とお雛様みたいだわぁ。牧村さんは美人さんだし、就職したらモテモテねぇ」


「あ、いえ、そんな事は…ないです」


牧村は永岡先生の言葉に顔を赤らめて、俯いて首を振る。


牧村のしおらしい、こんな顔…

初めて見たかも?