牧村が俺のマフラーを引っ張り、俺は前のめりになる。


牧村の五月蝿い、お節介な言葉は無視をしてマフラーから手を引き剥がす。


「シカトしただろ、って聞いてんのっ!!」


更にマフラーを引っ張り、俺は尻餅をついた。


「このっ…バカッ!!いい加減にし、…ろ…。あ、」


さっきまで、担任だった先生が見かねて、俺達を摘まみ出す。


「ったく、最後なんだから、きちんとしろよ」


クラスの中でも、成績が一位、二位を争う位の優等生だった俺達…


先生に目をつけられる事など無く、寧ろ褒められるばかりだった俺達…


しかし、最後の最後に担任だった先生に説教される事になるとは…


思いもよらず。


「…で、牧村がちょっかいを出して来た、と。お前ら、小学生か!!」


……何故、職員室で説教受けてんだ?


先生に教科書を丸めて、頭を叩かれる。


スパーンと軽快な音が響いて、周りの先生は笑っている。


「まぁ、まぁ、鈴木先生、この子達はずっと優等生だったんだし、多目に見ましょうよ?折角だから、お茶飲んでく?」