今日は、運命のクリスマスイブ。


学校では、終業式があった。


通知表のことも、冬休みの課題のことも、まるで気にならない。


だってあたしは今日、タケルに告白すると決めたんだ。


ダメだってことは、わかってる。


だけど、言わないと前に進めない。


その後ちゃんと、結衣に謝ればいいんだ。


きっと結衣は、わかってくれる。


だってあたし達は、親友だから。



「―――タケル!」


そしてあたしは、タケルに向かって声を上げた。


ゆっくりと、反応するようにタケルは振り返る。



「…ちょっと、話あるんだ。」


『…何?』


「ここじゃちょっと…。」


言葉を詰まらせるあたしに、タケルは笑顔を向けた。



『…じゃあ、うちに来れば?』


「―――ッ!」



こ、今度は襲われるのか?!


思いっきりキョドるあたしの耳元で、タケルは囁いた。



『…別に、何もしないって。
それに、俺もちょっと話があるし。』



…話?


首をかしげた。


だけど次の瞬間に思い浮かんだのは、結衣のことで。


そんな話、聞きたくなかった。