『…てゆーか、何を心配してんの?』


「ハァ?!」


『…だってさ?
美咲が告って、友情が壊れるとは限らないじゃん?』


当たり前のように、七海は言う。



「…でも、壊れないとも限らなくない?」


『絶対大丈夫だって!
そこは、あたしが結衣にフォローするし!』



その台詞はまるで、あたしの告白が上手くいくことを前提に言っているようで。


七海の考えていることが、まるでわからない。



『…後悔するよ?』


「―――ッ!」



言ってしまったら、後悔しないの?


友情は、壊れてしまわないの?



『…じゃあこれからずっと、結衣とタケルと一緒にいられるの?
気持ちの整理つけないと、どっちみち進めないよ?』


「―――ッ!」



本当に、そうだと思った。


熱の所為で何も考えられなくなった頭には、七海のポジティブな発想が流れ込んでくるみたいで。


それが全ての作戦だなんて、全くもって気付かなかったんだ。



『…ホラ!
明日はちょうどクリスマスイブだし!
上手くいくも良し、じゃない?』


「…でも…」


『大丈夫!
もし失敗したら、あたしが慰めてあげるから!!』


まるで背中を押すように、七海は強く言ってくれた。


だからあたしも、言うだけ言ってみようって。


そんな風に思えたんだ。